「21世紀はインドの時代になる」と言われるほど経済成長が目覚ましいインド。その快進撃を進めるモディ首相が一方で、Well-Beingな社会づくりを進める政策として、AYUSH(A…アーユルヴェーダ、Y…ヨガと自然療法、U…ユナニ医学、S…シッダ医学、H…ホメオパシー)を推進しています。
元々数学能力が高いことでも知られているインドですが、今まさに、伝統的なヨーガと最先端の西洋医学の統合的が研究と実践的な療法が進められています。
そんな最先端の科学的ヨーガ療法の研究機関であり、大規模な実践的な療法施設を持ち、モディ首相自らも「グル」と崇める博士が理事長を務めるヨーガ大学で学び、帰国して科学的ヨーガ療法の普及を進めている新進気鋭のヨギー、シュウノスケ先生による実践的なヨーガプラクティスの講座になります。
まず、定量的に皆さんの心身の状態を分析します。その分析結果を踏まえて、ヨガの「ポーズ(強化 or リラックス)」「思考/哲学」「瞑想法」などの実践に置いて、分析結果を踏まえて各人の状態にあったプラクティスをカスタマイズして提供します。
シュウノスケ先生にお話を伺いました。
ー どのようにしてヨガに出会ったのですか?
空手の師範である父と、ヨーガ療法士の母の間に生まれました。小学生から空手を始めて、ヨガは中学生から始めたという感じですね。まぁ中学生からヨガを始めたといっても、学生時代はずっと陸上部で、ヨガはいいストレッチ体操と思って取り入れていた程度でした。空手に関しては、肉体的な強さを求めるだけでなく、精神的な鍛練をする道だということは理解できていたのですが、ヨガはどうしても「ストレッチ」という概念がなかなか拭えなかったんです。
ところが、高校生の頃に腰の疲労骨折をしてしまい、絶対安静にしないといけない時期に肉体的にも精神的にも大いに救ってくれたのがヨガ、特にヨーガ療法だったんです。骨折した箇所が治るまでの期間を大幅に短縮してくれ、スムーズにリハビリを終えることができたました。
アメリカの筋力トレーニングに夢中だった当時の僕には衝撃的でしたね。ヨーガ療法って、名前からもお察しの通りかなり地味なんですよ(笑) 初めて“内面から変わる”というものを体感できたんです。そうすると小さな頃から両親に言われてきたこともスッと腑に落ちるようになりました。
21歳のとき、ヨーガ療法学会へ参加し、ヨーガは科学であることに衝撃を受けました。その時の学会でのメインが認知症だったのですが、アメリカの認知症学の権威の博士が「ヨーガが認知症予防に科学的に有効である」と発表されたんですよ。そして、学士、修士、博士がインドで認可されている事実を知り、体系的なヨガを学ぶために国内の一般大学を卒業した後、インドのヨーガ大学大学院(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana deemed University)の修士課程に入ることを決意します。
Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana大学併設の療法施設Arogyadhama
ーインドのヨーガ大学は一体どのようなところでしたか?
まず、驚きだったのが、僕が修士課程を終了したヨーガ大学理事長のナゲンドラ博士が元NASA研究員だったということです。経済成長が目覚ましいインドですが、現首相モディさんが進める政策の一つにAYUSH(A…アーユルヴェーダ、Y…ヨガと自然療法、U…ユナニ医学、S…シッダ医学、H…ホメオパシー)があります。首相は「グル(師)はナゲンドラ博士である」と発言されており、同大学が今のインドに支えられ、また大きな影響を与えていることを知りました。
ヨーガ大学は、研究機関としてだけでなく、療法施設としての活動の貢献が認められ、インド政府からの支援を受けるようになっています。
大学内には、大規模なヨーガ療法研究施設&滞在型ヨーガ療法施設があり、毎日朝の5時から夜の9時までヨーガ・アーユルヴェーダ・ナチュロパシー・理学療法によるケアを楽しむ患者たちの姿があります。
疾患別のスペシャル・テクニッククラスを受ける患者グループ
週に1~2回は鼻と胃の洗浄クラスを受ける(クリヤ場にて)
同大学では、西洋医学とヨーガの組み合わせの効果(患者の診断数値の改善)を証明する研究が進んでいます。その為、毎朝患者さんの測定を行ってエビデンス・データをきちんと取っていますし、研究論文は科学誌に認められるレベルが要求されます。僕の修士論文「 EFFECT OF CYCLIC MEDITATION ON PHYSICAL AND MENTAL STRESS IN HIGH SCHOOL ATHLETES- PRE-POST CONTROLLED STUDY (高校生アスリートへのサイクリック瞑想テクニックを用いた身体ストレスと精神ストレスへの効果)」もIndian Journal of Physical Education, Sports, and Applied Sciences誌に掲載されておりますので、ご興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
ヨガを用いた精神ストレスチェックの結果グラフ
普通の大学院では、2年間で30~40単位取得すればいいんですよ。ですが、うちの大学院は100単位くらい+修士論文が必須でして、最初は本当にビックリしましたね(笑) 大量のシラバスを消費するためにも1限が朝の5時からありまして、最後の8限とか9限が終わるのが夕方の5時とかなんですね。授業に加えて朝夕のチャンティング(読経)やら掃除・ボランティアが「出席必須」で付いてきます。もう1日の予定を終えるころにはヘロヘロなんですけど、そんな1日を月曜~土曜まで繰り返すんですね。人生で一番時間に余裕のある大学院生活を想像していたのですが、真逆でしたね(笑)
噂で知っていらっしゃるかもしれないですが、インド式テストって1教科のテスト範囲が参考書1冊とか普通なんですよ。試験時間は1教科につき3時間あって、白紙のA4解答用紙が30枚くらいドサッと机の上に置かれます。テストの度にボールペンのインクを無くす経験を何度もするくらい、たくさん勉強しましたね。「100%の力を勉強に集中できる環境で過ごせて幸せでした」と言えば、とても良い思い出ですね(笑)
あ、あとは、お風呂も温水シャワーも無かったので、いつも星空の下でバケツに水を溜めてかぶっていました。勉強も、生活も、まさに修行でした(笑)
インドでは、本当に貴重で良い経験たくさん積んできましたね。くじけそうなこともありましたが、なんとかやりきりました。おかげで、チャイとカレーを作ることが上手になりましたのでヨガでダメでもカレー屋さんになればいいと思うと安心してます。(笑)
大学の研究所 Anvesana Research Laboratories
大学院のクラス風景 床にゴザが敷いてあり、その上に座って授業を受ける文字通りの座学
ー今回、広めていこうとしている「ヨギックトレーニング」ですが、これをやろうと思った背景にはどんな課題認識があったのですか?
ヨガ業界のジレンマ
ご承知の通り、ヨガは欧米でも日本でもすでにポピュラーになり多くの人たちが実践しています。一方で、イメージの先行やホットヨガの広告の影響が大きく、本質から少し離れて今流行しているものが「ヨガのエクササイズ」になってしまっているのが気がかりでした。本来持っているヨガの素晴らしい可能性をもっと知ってもらいたいと思うようになりました。
ー今流行のヨガではなく、「本来持っているヨガの可能性」とはどのようなものなのでしょうか?
一言で言えば、これまでのヨガは「健康になるための手段」でしたが、さらに最先端の科学的アプローチを盛り込んだこれからのヨガは「人の潜在能力を最大限に発揮するための手段」になるということです。
さらに、セルフチェックを通じて自分の潜在能力のどこがボトルネックになっているか?を明らかにすることができ、それらに対処するための実践的なプラクティスを学ぶことができます。
本プログラムの特徴とメリット
①毎日の心身の状況を数値化し、管理することができるようになる。哲学や精神論に終始せず、客観性をもって自分の現状を数値化し、確認することができる。
②自身のウィークポイントが明らかになるだけでなく、対処すべき改善のプロセスを選択できる。
③最終的な目的である潜在能力の最大化に向かって、ステップバイステップで実習を積み重ねられる
④「潜在能力」には、心身の健康はもちろん、主体性(オーナーシップ)、創造性(クリエイティビティ)、社会的な共感能力(コミュニケーション/チームビルティング)の最大化が含まれており、できるビジネスパーソンとして、家族や仲間と幸せに生きたい一人の人間としてホリスティックな問題解決に貢献。
<告知>
7月8日(日)13時より、ヨギックトレーニング体験版講座を、鎌倉七里ガ浜にある青空空間にて開催します。詳細はこちら(Facebookイベントページ)
ぜひ、お試しください。
<プロフィール>
平岡充乃介
ヒラオカ シュウノスケ
空手の師範である父と、ヨーガ療法士の母の間に生まれ、安芸の宮島で知られる広島県廿日市市にて育つ。幼少期から空手、陸上競技、ヨガ等に熱心に取り組み、高校は体育コースへ進学するも、スランプを機にメンタルトレーニングへ関心を持ち始める。大学は経済学部に入学し、経営学を学びながら同時に心理学の勉強をする中でヨガの科学性とその可能性に気が付き、大学卒業後に渡印。バンガロールにあるSwami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana大学大学院ヨーガ療法学修士課程に入学し、24時間インド人に囲まれながら「ヨガとは」を学ぶ。ヨーガ療法施設にて疾患別の療法指導実習を修了し、さらにインドの伝統医学であるアーユルヴェーダへの関心を深め、修士課程修了後にはケララ州にあるアーユルヴェーダ病院にてアーユルヴェーダセラピー短期コースを修了。日本に帰国後は、ヨーガ療法のみならず、ヨガの可能性を伝える活動を始める。
お問い合わせはこちらまで
Human Potential Lab
info@h-potential.org